INPIT近畿統括本部 グランフロント大阪に
グランフロント大阪の北館に開設されたのは、独立行政法人「工業所有権情報・研修館」=INPITの近畿統括本部で、知的財産の活用を支援する拠点として設けられるのは東京の特許庁以外では初めてです。
情報源: 知的財産活用の支援拠点をグランフロント大阪に開設 特許庁|MBS 関西のニュース
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グランフロント大阪の北館に開設されたのは、独立行政法人「工業所有権情報・研修館」=INPITの近畿統括本部で、知的財産の活用を支援する拠点として設けられるのは東京の特許庁以外では初めてです。
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The U.S. Court of Appeals for the Ninth Circuit reaffirmed its commitment to the rule that willfulness is a prerequisite for disgorgement of a trademark infringer’s profits in Stone Creek v. Omnia Italian Design… United States Intellectual Property Fenwick & West LLP 27 Jul 2017
家電大手シャープが中国の家電大手海信(ハイセンス)集団に対し、米国などで「シャープ」「アクオス」の商標のテレビを販売するのをやめるよう求めている問題で、海信の海外部門幹部は27日、今後も商標を使い続ける方針を明らかにした。
情報源: シャープ商標、中国大手が継続使用の方針 米テレビ市場:朝日新聞デジタル
経営再建中のシャープ 亀山工場4000人に人員倍増へ(17/04/06), 0:33
商標登録insideNews: 中国電機大手を提訴=米国テレビ商標で-シャープ:時事ドットコム
In response to the issue of consumer electronics giant Sharp asking Chinese consumer electronics giant Hisense Group to stop selling televisions with the “Sharp” and “Aquos” trademarks in the United States and other countries, Hisense’s overseas department executives announced on the 27th that they will continue to use the trademarks.
特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。
1.出願番号 商願2001-57564
2.商 標 「鹿の子茶屋」
3.商品区分 第30類:コーヒー及びココア,茶,調味料,米,食用粉類,穀物の加工品,サンドイッチ,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷
4.適用条文 商標法第3条第1項第3号,同第4条第1項第16号
5.拒絶理由 本願商標は、「鹿の子」菓子に使用しても、単に商品の品質、販売場所を表示したにすぎず、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
(1)拒絶理由通知書において、本願商標は「鹿の子茶屋」の文字を書してなり、その構成中の「鹿の子」の文字部分は「和菓子の一種で、求肥またはようかんであんを包んで丸め、その周囲に密煮した小豆をつけたもの」等の意味を有し、また、「茶屋」の文字部分は「客に茶菓や食事を販売・提供する店」(講談社 日本語大辞典 第二版参照)等の意味を有するので、これを本願指定商品中「鹿の子」菓子に使用しても、単に商品の品質、販売場所を表示したにすぎないものであると認められ、したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する旨、認定された。
しかしながら、本出願人は斯かる認定に承服できないので、以下に意見を申し述べる。
(2)本願商標は、審査官殿が指摘するように、成るほど、「和菓子の一種で、求肥またはようかんであんを包んで丸め、その周囲に密煮した小豆をつけたもの」等の意味を有する「鹿の子」の文字と、「客に茶菓や食事を販売・提供する店」等の意味を有する「茶屋」の文字から成るものであります。
しかしながら、それらの文字を結合して成る本願商標「鹿の子茶屋」は、必ずしも、「鹿の子」商品のみを販売する場所等を意味するものではありません。つまり、「鹿の子」の文字があるからといって、商品が「鹿の子」に限られるというわけではありません。本願商標は、これらの文字を結合することによって、「鹿の子茶屋」という一つの固有名詞(結合商標)を形成するものであって、ある特定の「鹿の子茶屋」という名前の「茶屋」を表すものであります。
つまり、「鹿の子」を中心的に提供する茶屋であることを否定するものではありませんが、その茶屋としての性格上、これだけの商品に限定されるものではないということであります。本願の指定商品として挙げたように、「コーヒー,ココア,茶」等もあれば、「サンドイッチ,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ホットドッグ」等もあるわけです。また、「鹿の子」に限らず、他の「菓子及びパン」等も当然想定されるわけです。
それ故に、本願商標を本願指定商品に用いても、茶屋として当然に想定される商品であり、単に品質を表示したり、品質の誤認を生じたりするようなことは決してないと考えます。
(3)過去の商標登録例を見ると、例えば、以下の様な登録商標が存在しています。
1.登録1795124「おにぎり茶屋」(株式会社マスヤ)-第30類 菓子、パン…第1号証
2.登録3015796「甘酒茶屋」(日本盛株式会社)-第30類 菓子及びパン…第2号証
3.登録3024164「だんご茶屋」(有限会社津曲食品)-第30類 コ―ヒ―及びココア,コ―ヒ―豆,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミ―トパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリ―ムのもと,シャ―ベットのもと,ア―モンドペ―スト,イ―ストパウダ―,こうじ,酵母,ベ―キングパウダ―,氷,酒かす…第3号証
4.登録4301667「いちご茶屋」(株式会社ショコラティエ・サンク)-第30類 菓子,パン…第4号証
5.登録4293847「わさび茶屋」(春日井製菓株式会社)-第30類 菓子及びパン…第5号証
これらの商標は、すべて別会社の登録に係るものですが、それぞれ「おにぎり」、「甘酒」、「だんご」、「いちご」、「わさび」という商品名を表す文字に「茶屋」の文字を結合して商標を構成したものである点で、本願商標の「鹿の子茶屋」(「商品名+茶屋」)と軌を一にするものであります。しかし、これらの登録商標は、品質表示や販売場所表示、あるいは品質の誤認が生じるというような理由で、拒絶されているわけではありません。十分に識別機能を有する商標として登録されております。
然るに、これらの商標が登録できて、本件商標だけが拒絶されるというのは到底納得できません。本願のような商標であっても、特定の茶屋の名前(つまり特定の出所)を表すものと見れば、「茶屋」としての性格上、誰しも「鹿の子」しか取り扱わないなどと思うはずがありません。「茶」もあれば、「コーヒー」もある。「ケーキ」もあれば、「他の和菓子」もある。あるいは軽食に「スパゲッティー」もあれば、「おにぎり」もあるというように、いろいろな商品を想定するのがむしろ普通であります。審査官殿は「鹿の子」の文字にとらわれたが故に、品質表示に過ぎないだとか、品質の誤認が生じるおそれがあるだとかの誤認を生じたのではないかと思いますが、この文字に「茶屋」の文字を結合した時点で、取り扱う商品は、茶屋で通常取り扱う商品全般に拡がったと見るべきであります。たとえ拡がったとしても、商品の誤認など生じるはずもありません。茶屋(喫茶店)で取り扱う商品を考えれば、商品を限定して考えることの方がむしろ不自然であります。そのことは、上記過去の登録例が何よりの証左となると考えます。
(4)以上の次第でありますので、本願商標は十分に識別力を有し、登録適格なものと思料します。
( *この件は、登録査定となったが、使用しなくなったので登録料は未納とした。)
特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。
1.出願番号 商願2001-111742
2.商 標 「BACKS」
3.商品区分 第35類
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由 登録第4116018号商標「BUCKS & 雄ジカ図形」ほかと類似する。
Ⅰ. 拒絶理由通知書において審査官殿は、本願商標は、登録第4116018号(商願平6-083945)の商標(以下、引用商標1という)、及び登録第4270596号(商願平9-169093)の商標(以下、引用商標2という)と同一又は類似であって、その指定役務と同一又は類似の役務に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定されました。
しかしながら、本出願人は、引用商標2に対しては、抵触する役務である「35類「輸出入に関する事務の代理又は代行」(35F01)を本願の指定役務中より削除する補正を本日付けで行いましたので、この引用商標2との関係では、明らかに拒絶の理由は解消したものと思料します。
また、本願商標は、引用商標1との関係では相変わらず指定役務が抵触することとなりますが、本願商標とこの引用商標1とは、そもそも外観・称呼及び観念において紛れることのない非類似の商標であると思料しますので、やはり拒絶の理由は存在しないものと思料します。
Ⅱ.そこで、以下、引用商標1との関係で、意見を申し述べます。
(1) まず、本願商標は、本出願人の社名「バックスグループ」の前半部を英文字で「BACKS」と横書きして成るものであるのに対し、引用商標1は、下向き三角形の中央より上部に、これに重なるように牡鹿と思しき動物の頭部を描き、その下部に、「MILWAUKEE」および「BUCKS」の文字を二段に書してなるものであります。したがって、本願商標と引用商標1とは、外観上全く異なるものであります。
(2) 次に、本願商標の「BACKS」は、ラグビーやホッケーなどにおいて、主に守備を受け持つ選手やそのポジションをあらわす言葉であり、「後援」とか、「後ろ盾」、或いは端的に「バックス」(backs)の意味合いを持つものであります。そして、これは、「人材派遣等を通じて企業の活動をバックアップしたい。後ろ盾になりたい。」という願いを込めて選定した本出願人会社名の前半部を構成する文字「バックス」の英文字表記であります。然して、この本願商標からは、全体として字義通り、「バックス」の称呼、及び「後援」「後ろ盾」等の観念を生じるものと思料します。
一方、引用商標1は、「BUCKS」の文字が比較的大きく書されているとはいえ(あくまでも、BACKSではなく、牡鹿を意味するBUCKSである)、「MILWAUKEE」および上部の牡鹿と思しき動物の図形を含めて全体的にまとまりよく配置されておりますので、これを一体のものとして把握し得るばかりでなく、その構成文字に相応して生ずる「ミルウォーキーバックス」の称呼もよどみなく称呼し得るものと思料します。
また、この「MILWAUKEE BUCKS」、「ミルウォーキー・バックス」は、米国NBA所属のチームの一であって、引用商標1はそのチームマーク(エンブレム)として使用されているものであり、わが国においては一定程度知られておりますので、この引用商標1からは、米国NBA所属の「ミルウォーキー・バックス」というプロバスケットボールチームを容易に観念させるものであります(このチームマーク(エンブレム)は、「ミルウォーキー・バックス」のインターネットホームページなどでも使用されています)。
このように、本願商標が、「バックス」の称呼、及び「後援」「後ろ盾」等の観念を生じさせるものであるのに対し、引用商標1は、わが国において一定程度知られた米国NBA所属のプロバスケットボールチーム「ミルウォーキー・バックス」のチームマーク(エンブレム)でありますので、これに接する取引者・需用者は、「ミルウォーキー・バックス」という全米プロバスケットチームを想起観念し、これを一体的に把握するとともに、「ミルウォーキーバックス」の一連の称呼をもって取引に当たるものと思料します。
したがって、両者は、称呼・観念においても紛れることのない非類似の商標であると考えます。
(3)ところで、この引用商標1を、上述のように、
A.米国NBAのチームの一である「MILWAUKEE BUCKS」、「ミルウォーキー・バックス」を想起させる商標であって、一体のものとして把握すべきものであること。
B.取引者・需用者は単に「ミルウォーキーバックス」の一連の称呼をもって取引に資するとみるべきものであること。
と判断することは、過去の御庁における審決においても認められた判断であります。
即ち、平成10年審判第4125号(平成13年3月14日審決:原隆審判長)の拒絶査定不服審判においては、本件の引用商標1と同一の商標が出願商標(商願平7-130713号)であったという意味でちょうど逆の立場になりますが、「バックス」の称呼を生ずる引用商標に対して、この商願平7-130713号商標は、あくまでも米国NBAのチームの一である「ミルウォーキー・バックス」を想起させ、「ミルウォーキーバックス」の一連の称呼しか生じないから引用商標とは非類似であると認定し、その登録を認めた経緯があります。
つまり、本件の引用商標1と全く同じ構成態様、即ち“下向き三角形の中央より上部に、これに重なるように牡鹿と思しき動物の頭部を描き、その下部に、「MILWAUKEE」および「BUCKS」の文字を二段に書してなる”態様の商標を、A.米国NBAのチームの一である「ミルウォーキー・バックス」を想起させるとし、また、B.「ミルウォーキーバックス」の一連の称呼しか生じないとして、引用商標の単なる称呼「バックス」の商標とは類似しないと判断して査定を取り消した審決が存在したということであります(しかも、これはつい昨年の審決です:平成13年3月14日審決)。
それ故、本件においても、この審決における判断と同様に、引用商標1の商標からは「ミルウォーキーバックス」という一連の称呼しか生じないと認定されるべきであります。
上記審決時においては、原査定及び審判において提出された証拠のほか、審判官が職権で調査した事実も判断材料とされており、十分に審理を尽くした上での判断だと思われます。斯かる審決での判断は十分に尊重されるべきものであります。
(4) このように、本願商標と引用商標1とは、外観および観念上全く異なるものであって類似することはないとともに、称呼上も単なる「バックス」と「ミルウォーキーバックス」の差異があって語感語調を全く異にし、取引者・需用者をして決して紛れることはないものと思料します。
よって、本願商標と引用商標1とは非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではないと思料します。
Ⅲ. 以上の次第ですので、今般の拒絶の理由はすべて解消したものと思料します。
特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。
1.出願番号 商願2001-109306
2.商 標 「BACKS GROUP」
3.商品区分 第35類、第42類
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号 他
5.拒絶理由 登録第4116018号商標「BUCKS & 雄ジカ図形」」と類似する。
Ⅰ. 本日付け提出の手続補正書において、第35類に属さないとされた役務「求人情報の提供」(国際分類版表示第7版)を、第35類から第42類に変更する補正を行うと共に、不明瞭であるとされた「改善案の提供」という表現を指定役務中より削除する補正を行いましたので、発送番号248551に係る拒絶の理由(2)は、解消したものと思料します。因みに、補正後の「受注事務・人事事務・経理事務・総務事務の代行」とは、言い換えれば「会計・総務・人事その他の事務的事項に関する事務処理代行」のことです(なお、このような表現の方が分かりやすいと言うことであれば、補正する用意がありますので、ご指摘下さい)。
なお、第42類が増えた結果不足するとされた出願料15,000円は、本日付け別途提出の手続補正書(手数料補正)において、納付手続を済ませました。
Ⅱ. そこで次に、発送番号248550に係る拒絶の理由(1)について、意見を申し述べます。
(1) この拒絶の理由(1)において審査官殿は、本願商標は、登録第4116018号(商願平6-083945)の商標(以下、引用商標という)と類似であって、その指定役務と同一又は類似の役務に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定されております。
しかしながら、本出願人は、本願商標と引用商標とは、外観・称呼・観念のいずれにおいても類似することのない非類似の商標であると思料しますので、斯かる認定に承服できません。
(2) まず、本願商標は、本出願人の社名「バックスグループ」を英文字で「BACKS GROUP」と横書きして成るものであるのに対し、引用商標は「左右一対の角を持つ雄ジカの胸から上の部分の正面図形」と「その背景である逆二等辺三角図形」と「雄ジカ図形の直ぐ下側に小さく横書きしたMILWAUKEEの英文字」と、更に「その下側に大きく横書きしたBUCKSの英文字」とから成る文字・図形混在の商標であります。したがって、本願商標と引用商標とは、外観上全く異なるものであります。
(3) また、観念の点についてみると、本願商標の「BACKS GROUP」は、「後援、後ろ盾」を意味する「BACKS」と、「集団、集まり、群れ」を意味する「GROUP」とを結び付けた商標であって、「人材派遣等を通じて企業の活動を後援する団体でありたい、後ろ盾になる団体でありたい。」という願いを込めて選定した本出願人「バックスグループ」の英文字表記であります。そして、この本願商標からは、全体として字義通り、「後援する集団」「後ろ盾になる集団」等のまとまった一つの観念を生じさせるものであります。
これに対し、引用商標の図形部分は「雄ジカ」を観念させ、また、文字部分の「MILWAUKEE」は米国Wisconsin州南東部ミシガン湖畔の港市である「ミルウオーキー」を観念させ、大書した文字部分「BUCKS」(二文字目は「A」ではなく「U」である)は「雄ジカ」を観念させるものであり、この引用商標全体として「ミルウオーキーの雄ジカ」を観念させるものであります。
したっがって、両者は観念上も全く異なるものであります。
(4) そこで、次に、称呼の点につき検討します。
本願商標は、英文字で「BACKS GROUP」と横書きして成り、「BACKS」と「GROUP」との間にやや間隔をあけた態様ではありますが、左右に軽重の差なく同書・同大で全体がバランス良く配置されています。また、前述したように、全体として「後援する集団」「後ろ盾の集団」等の一つの観念を生じさせるものであります。そして、全体を一連に称呼しても決して称呼しにくいわけではなく、むしろ社名商標であることから全体を一連に称呼するのが自然であります。全体を一体に捉え一連に称呼してこそ、社名の意味があります。分断して単に「バックス」とか、「グループ」とか称呼したのでは何のことか分かりません。分断して称呼するのは如何にも不自然であります。それ故、本願商標は、単に「バックス」と称呼されるようなことはなく、常に一連に「バックスグループ」とのみ称呼されるものと思料します。
これに対し、引用商標は「雄ジカ」の図形と「BUCKS」の文字との間に、やや小さいとはいえ「MILWAUKEE」の文字を有することから、基本的には、「ミルウオーキーバックス」と称呼されるものと思料しますが、「雄ジカ」の図形と大書した「BUCKS」の文字から、取引者・需用者は単に雄ジカをイメージして「バックス」と称呼する場合があるかも知れません。
しかしながら、引用商標が「ミルウオーキーバックス」あるいは「バックス」のいずれに称呼されたとしても、本願商標は、上述のように、あくまでも常に一連に「バックスグループ」と称呼されるものであることから、両者は明らかに聴別でき、称呼上も決して類似することはないと思料します。
(5) この点に関し、審査官殿は「GROUP」の部分に商標の要部はなく、「BACKS」の部分にこそ本願商標の要部があるから、本願商標からは単に「バックス」の称呼も生じ得るとして、引用商標を引いてきたのではないかと思料しますが、そのような見方は妥当ではないと考えます。
本願商標の「BACKS GROUP」は全体として捉えて初めて、本出願人の社名をあらわすものであって、単に「BACKS」と把握したのでは何のことか分かりません。また、「BACKS GROUP」を全体として捉えてこそ、「後援する集団」「後ろ盾の集団」等のまとまった一つの観念(企業理念)を生じさせるものであり、全体を一体として把握するのが自然であります。敢えて、分断して「BACKS」の部分のみを要部として抽出すべき理由はありません。
「BACKS」が造語であれば、或いはそのあとに「GROUP」の言葉を付けた場合、「BACKS」という本体があって、そのグループだというような意味合いに取られる危険性があるかも知れませんが、「BACKS」の言葉は造語ではなく、「後援、後ろ盾」を意味する普通の確立された言葉ですので、その様なことはないはずであります。「BACKS」は「GROUP」の単語と結び付いて「後援する集団」「後ろ盾の集団」等の意味合いを生じさせるものであり、一体であります。
それ故、本願商標はあくまでも全体が要部であって、「GROUP」を省略出来ない商標であります。
(6) ところで、過去の商標登録例を見ると、本願と同じ区分である第35類の関係で、東邦シートフレーム株式会社所有の登録第3044209号「TOHO」(図あり)(平成7年5月31日登録)という商標の存在にも拘わらず、その後の出願に係る表示灯株式会社の「TOHO GROUP」が第3152051号として平成8年5月31日に登録された事実があります(役務抵触)。
この場合、仮に「GROUP」が要部ではないと判断されていたならば、後願に係る表示灯株式会社の商標は拒絶されていたはずであるのに、現実には登録されております。これは「GROUP」も商標の要部であると判断し、全体を一体の商標として把握したからに他なりません。
然るに、本願商標のケースもこれと同様に考えるべきで、本願商標は常に「バックスグループ」とのみ称呼すべきものと考えます。それ故、たとえ引用商標が「バックス」と称呼された場合でも、両者は決して類似することはないと考えます。
(7) 以上のように、本願商標と引用商標とは、外観および観念上全く異なるものであって類似することはないと共に、称呼上も「グループ」の称呼の有無によって語感語調を全く異にし、取引者・需用者をして決して紛れることはないものと思料します。
したがって、本願商標と引用商標とは非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではないと思料します。
Ⅲ. 以上の次第ですので、今般の拒絶の理由(1)(2)は全て解消したものと思料します。