商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#35

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「ASSAM HelpDesk/アッサムヘルプデスク」

1.出願番号  商願2001-086005
2.商  標  「Assam HelpDesk/アッサムヘルプデスク」
3.商品区分  第9類
4.適用条文 商標法第4条第1項第16号、第4条第1項第11号
5.拒絶理由
 (1)その構成中にコンピュータやソフトウェアの使い方等の相談、質問に応答するサービスを認識させる「HelpDesk」の文字を有してなるものであるから、これを本願の指定商品中、上記に照応する商品(例えば「ヘルプディスクの運用管理に用いるコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体」)以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせる(4条1項16号)。
(2)登録第2138861号の登録商標「アッサム/ASSUM」と類似する(4条1項11号)。

拒絶理由通知
出願商標・商標登録第4609731号
拒絶理由通知
引例商標・商標登録第2138861号

拒絶理由通知 意見書における反論

(1)第2回目の拒絶理由通知書において、審査官殿は、以下1,2のような拒絶理由通知を発せられたが、本出願人は、斯かる認定に承服できないので、以下に意見を申し述べます。
 1.この商標登録出願に係る商標は、その構成中にコンピュータやソフトウェアの使い方等の相談、質問に応答するサービスを認識させる「HelpDesk」の文字を有してなるものであるから、これを本願の指定商品中、上記に照応する商品(例えば「ヘルプディスクの運用管理に用いるコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体」)以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。
 したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
 2. この商標登録出願に係る商標は、登録第2138861号(商公昭63-081357)の登録商標(以下、引用商標という)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品)と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2) まず、審査官殿は、本願商標を構成する「HelpDesk」の文字について、コンピュータやソフトウェアの使い方等の相談、質問に応答するサービスを認識させる言葉であるとして、これを指定商品中、例えば、「ヘルプディスクの運用管理に用いるコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体」以外の商品に使用するときは、あくまでも、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると認定しております。
 しかしながら、「HelpDesk」の文字は、「コンピュータシステムのサポートを行う組織や窓口」(一種の“団体”のイメージ)という意味に使われておりますので、コンピュータとは関連があるものの、「ヘルプデスクの運用管理に用いるコンピュータプログラム」を普通に認識させるとまでは言えないと思料します(この点は、先の平成14年8月26日付け意見書でも述べたとおりであります)。つまり、ここでいう「HelpDesk」の言葉の意味合いとしては、せいぜい「コンピュータシステムのサポート組織・窓口」(一種の“団体”)ぐらいの意味でしかないと思料します。
このことは、例えば、
(イ)「Help desk Builder」(第3279425号、H09.04.11登録、日本電気)や、
(ロ)「ClearHelpdesk」(第4205117号、H10.10.30登録、米国法人)
などの登録商標の指定商品が、「ヘルプデスクの運用管理に用いるコンピュータプログラム」などに限定されておらず、電子応用機械器具及びその部品やその他の第9類に属する一般的な指定商品を指定して登録されている事実からも理解できます。
 つまり、仮に、この「HelpDesk」が品質を表示する用語であるとするならば、指定商品には、例えば「ヘルプデスクの運用管理に用いる……」という限定がなければおかしいでありましょうが、これら過去の登録例(イ),(ロ)を見ても(過去とは言ってもそれほど遠い過去ではない)、その様な限定は付されておりません。この「HelpDesk」でも他の文字との結合によって、十分に識別機能を発揮する商標であると考えます。
 したがって、本願商標の「HelpDesk」を品質表示用語と捉え、例えば、「ヘルプディスクの運用管理に用いるコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるとの認定は妥当ではないと考えます。よって、本願商標は、その指定商品を限定せずとも、商標法第4条第1項第16号に該当することはないと考えます。
(3) 次に、審査官殿は、第2138861号登録商標「アッサム/ASSUM」(日本電子計算株式会社)を引用して、本願商標「Assam HelpDesk/アッサムヘルプデスク」は、この引用商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定しております。
 しかし、この認定は、「HelpDesk」が品質表示であって、自他商品識別力がない、ということを前提とする認定であり、その前提自体がおかしい以上、その様な認定に納得することはできません。上述したとおり、「HelpDesk」の文字自体は、コンピュータプログラムは勿論、その他の第9類に属する商品との関係にあって、その品質を普通に表示する用語ではありませんので、本願商標の「Assam」の文字のみを抽出して、引用商標「ASSUM」との類否を論じるような比較の仕方は、適当ではないと考えます。
本願商標は、先の意見書でも述べたように、「Assam HelpDesk」という商標として、左右に分断できない1つの造語商標であり、これら全体が一体となったところに造語商標としての意味があります。つまり、本願商標は、“コンピュータ用プログラムを含む電子応用機械器具及びその部品”(第9類)等の本願指定商品との関係にあって、単に「インドのアッサム州産」だとか、或いは単に「ヘルプディスクの運用管理に用いるコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体」だとかの観念を生じさせるものではありません。その様な左右を分断する本願商標把握の仕方は誤りであります。常に一体不可分の商標と捉えるべきであります。
先の意見書でも述べましたが、本出願人は、「Assam」の文字を含む登録商標を以下のとおり所有しております。
 A.「Assam Whois」(第4173443号、H10.7.31登録)、
 B.「Assam Internet Applets」(第4209005号、H10.11.6登録)、
 C.「Assam WebBench」(第4393720号、H12.6.23登録)、
 D.「Assam WebGuard」(第4573808号、H14.5.31登録)。
本願商標の「Assam HelpDesk」は、この一連の「Assamシリーズ」に加えるべき一商標であって、同じ商品を指定し、使用するものである以上、取引者・需用者を同じくするものであります。その様な取引状況の中にあって、本願商標だけを今までの「Assamシリーズ」とは別の物であるなどと取引者・需用者が認識するはずはありません。同じ出願人が、同じ「Assam○○○」の商標を用いていて、何か今までの「Assamシリーズ」とは別の意味を持つ商標だなどと、誰が認識するでありましょうか。今までの上記A.B.C.Dの「Assam」シリーズと同一のコンセプトに基づく仲間の商標と認識するのが自然でありましょう。ましてや、「Assam」と「HelpDesk」とを分断して把握するような取引者・需用者はいないでありましょう。全体を一つの商標として捉え、片仮名文字で読みをあらわしたように、「アッサムヘルプデスク」と一連にのみ称呼するはずであります。そう称呼してこそ、「Assamシリーズ」の中の一シリーズものであるとの認識を持つことができます。単なる、「アッサム」や「ヘルプデスク」と称呼したのでは、何のことか分かりません。一連に「アッサムヘルプデスク」と称呼してこそ、本願商標は自他商品識別力を発揮し、商標としての価値を持ちます。その様な意味を持つ商標であるからこそ、今までのAssamシリーズと同一の取引者・需用者は、本願商標を一体不可分の商標と認識し、一連に称呼するものと思います。
 したがって、本願商標「Assam HelpDesk/アッサムヘルプデスク」は、引用商標の「アッサム/ASSUM」と類似することはなく、商標法第4条第1項第11号に該当することはないと考えます。

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商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#34

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標:「AdMail」

1.出願番号  商願2000-9611
2.商  標  「AdMail」
3.商品区分  第38類:電子メールによる通信
4.適用条文 商標法第3条第1項第3号(6条1項2項も含む)
5.拒絶理由  本願商標は「電子メールによる広告」の意味合いを認識させるにとどまる。

拒絶理由通知
商標登録第4604200号

拒絶理由通知 意見書における反論

(1)発送番号073872の拒絶理由通知書の拒絶理由(1)において、本願商標は、「広告、宣伝、広告物」を意味する「Ad」(「advertisement」の略)の文字と、「コンピュータ等を利用した郵便物、電子メール」を意味する「Mail」の文字とを「AdMail」と書してなるので、これよりは「電子メールによる広告」の意味合いを認識させるにとどまり、これをその指定役務に使用しても、単に提供する役務の質(内容)を表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当すると認定されました。
しかしながら、本願商標の「AdMail」は、特定の観念を生じない造語であって、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章ではなく、十分に識別力を有るものと思料しますので、斯かる認定に承服できず、以下に意見を申し述べます。
(1-A)まず、本願商標の構成態様は、願書に明示したように、欧文字で「AdMail」と一連に書した態様から成るものでありますが、出願人の主観的な意図を申し上げれば、この前半部分の「Ad」の文字は、「あて先,住所」等を意味する「address」の語頭二文字と、「有利,好都合,便利,役立つ」等を意味する「advantage」の語頭二文字との、双方から採用したものであって、審査官殿の指摘するように、決して、広告を意味する「advertisement」の「ad」ではありません。
つまり、本出願人は、本願商標の「AdMail」を、「AddressMail」と、「AdvantageMail」の両方の意味合いを込めて作ったもので、「AdvertisementMail」を表示しようとしたものではありません。「AdMail」と表すことによって、あくまでも、「事前に登録された会員のアドレスにのみ送信する便利で役に立つ(アドバンテージな)電子メール通信」というような意味合いを込めて作ったものであります。
このようなことを申し上げると、欧文字だけからなる「AdMail」の態様から、その様な出願人の主観的意図が取引者・需用者に分かるわけはないではないかとの反論を受けそうですが、かといって、審査官殿の言うように、「広告」を意味する「advertisement」の略の「Ad」を語頭部分に用いているとも断言できないわけであります。つまり、本願商標の「Ad」は、「アドレス」の「ad」かも知れないし、「アドバンテージ」の「ad」かも知れないわけです。例えば、広辞苑で「アド」を引いてみても、「アドレスの略。」と言う説明と、「ad アメリカ(advertisementの略)広告。」という説明の2つがあります。
このように、出願人の主観的な意図を正確に本願商標に反映できなかったことは残念ですが、本願商標は結局のところ、客観的に見れば意味のはっきりしない「Ad」と、電子メール等を意味する「Mail」の文字が結合して成り立っているわけですから、全体として確立された特定の意味など生じないはずであります。ましてや、「電子メールによる広告」などという意味合いを生じさせるものではありません。
 それ故、本願商標が特定の観念を生じさせ、しかもそれが役務の質を表示していると言う今回の判断は、誤った認識に基づくものと考えます。
 (1-B)過去の登録例を見てみましても、例えば、第35類の広告関係を指定役務とする商標として、
 a.登録商標第3043980号「アドネット」(H07.05.31:(株)明通)(第1号証)、
b.登録商標第3353064号「アドフォン」(H09.10.24:(株)スーパーステージ)(第2号証)、などが存在します。
しかし、審査官殿のような上記考え方を採れば、この商標は両方とも登録に成り得なかったはずであります。
 つまり、審査官殿の考え方に従えば、第1号証の「アドネット」は、「広告、宣伝、広告物」を意味する「ad」(「advertisement」の略)の片仮名表記と、「情報通信ネットワーク」の略である「net」の片仮名表記とを「アドネット」と書してなるので、これよりは「情報通信ネットワークを用いた広告」の意味合いを認識させるにとどまり、これをその指定役務に使用しても、単に提供する役務の質(内容)を表示するにすぎないから、拒絶されるべきであるということになるのでありましょうし、また、第2号証の「アドフォン」は、同じく「広告、宣伝、広告物」を意味する「ad」(「advertisement」の略)の片仮名表記と、「テレフォン」を略して呼ぶときに使う「フォン」の文字から成るもので、これよりは「電話による広告」の意味合いを認識させるにとどまり、これをその指定役務に使用しても、単に提供する役務の質(内容)を表示するにすぎないと言うことになるのでありましょう。従って、審査官殿の考え方に従えば、これらは拒絶されてもおかしくないわけです。しかし、現実には双方とも登録されております。これは、「アドネット」も、「アドフォン」も、特定の観念を生じない造語商標と判断されたからだと思います。
然るに、「アドネット」や「アドフォン」が登録できて、本願商標の「AdMail」が登録できないというのは釈然としません。本願商標もやはり特定の観念を生じさせない造語商標なのですから、これら「アドネット」や「アドフォン」と同様に登録されてしかるべきと考えます。
 (1-C)以上のように、本願商標は、あくまでも特定の観念を生じさせない造語商標であって、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章ではありませんので、十分に識別力を有し、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するものではないと思料します。尚、本出願人は、上記出願人の主観的な意図をはっきりさせると共に(客観的には余り関係ありませんが)、指定役務の内容及び範囲を明確にするために、本日付けで手続補正書を提出し、指定役務を第35類の「広告」とは全く関係のない、第38類の「電子メールによる通信」に補正しました。
(2)次に、発送番号073875の拒絶理由通知書の拒絶理由(2)の指定役務が不明確であると指摘された点につきましては、上述したように、本日付け提出の手続補正書によって、指定役務を「第38類 電子メールによる通信」に補正しましたので、明確になったものと思料します。それ故、本出願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件をも具備したものと思料します。

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商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#33

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標:「HAND DRIP CAFE /EXQ./エクスキ」

1.出願番号  商願2001-27584
2.商  標  「HAND DRIP CAFE /EXQ./エクスキ」
3.商品区分  第16、21,30,42類
4.適用条文 商標法第4条第1項第16号
5.拒絶理由  本願商標は、その構成中に「コーヒー」を意味するCAFE(Eの上にはアクサン-テギュが付されている)の文字を有してなるものであるから、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

拒絶理由通知
商標登録第4566652号

拒絶理由通知 意見書における反論

(1)拒絶理由通知書において、審査官殿は、本願の拒絶理由として、以下の2つの点を示された。
「1.この商標登録出願に係る商標は、その構成中に「コーヒー」を意味するCAFE(Eの上にはアクサン-テギュが付されている)の文字を有してなるものですから、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認めます。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第16号に該当します。
 2.この商標登録出願に係る商標は、第4452468号登録商標(以下、引用商標という)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものですから、商標法第4条第1項第11号に該当します。」
これに対し、本出願人は、以下のとおり意見を申し述べます。
(2)拒絶理由2について
 本願商標の商標構成態様は、「EXQ.」の文字を中央に大きく描き、その上に欧文字で小さく「HAND DRIP CAFE(Eの上にはアクサン-テギュ)」と書し、且つ「EXQ.」の下には小さく「[エクスキ]」と書した三段構成であるのに対し、引用商標は、「EXQ」の欧文字を上段に、「イクスキ」の片仮名文字を下段に書した二段構成から成るものであります。したがって、これら両者は「EXQ」の文字を共通にし、且つ称呼も「エクスキ」と「イクスキ」でありますので、互いに類似する標章であることは認めます。
 しかしながら、本出願人は、その指定商品中より、引用商標の指定商品(具体的には引例の第14類「貴金属製食器類」)と同一又は類似する指定商品の第21類「食器類(貴金属製のものを除く。)」(類似群19A03)を削除する補正を行いましたので(本日付け提出の手続補正書参照)、両商標の指定商品同士は抵触する可能性が全く無くなりました。
 よって、本願商標は商標法第4条第1項第11号には該当しなくなったものであり、拒絶理由2は解消したものと思料します。
(3)拒絶理由1について
 そこで、次に、拒絶理由1について意見を申し述べます。
(3-1)
 審査官殿のご指摘によれば、本願商標は、その構成中に「コーヒー」を意味するCAFE(Eの上にはアクサン-テギュが付されている。以下同じ。)の文字を有してなるものであるから、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある、ということであります。
 しかしながら、本願商標は、「CAFE」の文字を中心に置いて殊更に「CAFE」を強調するような態様ではなく、中心に置いた文字はあくまでも欧文字で大書した「EXQ.」であります。そして、その下には読みを表す小さな[エクスキ]の文字を書し、「HAND DRIP CAFE」は、中央の「EXQ.」の上に小さく書したいわば説明書きであります。つまり、「HAND DRIP CAFE」は「ハンドドリップスタイルにこだわったCAFE(喫茶店)あるいはコーヒー」であることを謳ったものであります。
 本出願人は、本願商標の指定対象として、この第30類その他の指定商品以外にも、第42類の指定役務「飲食物の提供」を指定しております。そのことからも容易に理解できると思いますが、本願商標「EXQ.」は、喫茶店での使用(店名としての使用)を想定しております。上段の説明書き「HAND DRIP CAFE」は、「ネルドリップによる一杯だてのハンドドリップスタイルのコーヒーにこだわったカフェ(喫茶店)」ということを表示したものです。この「CAFE」の文字は、フランス語として捉えれば「コーヒー」ですが、「喫茶店」という意味もあります(広辞苑で「カフェ」を引くと「喫茶店」を意味しておりますし、日本で「カフェ」といえば一般的には「喫茶店」を指称すると思います)。
 すなわち、本出願人は、新しいタイプのカフェ「ハンドドリップカフェ~EXQ.(エクスキ)」を昨年(平成13年)6月11日(月)、日本橋本町にオープンいたしましたが、「HAND DRIP CAFE」は「本物のコーヒーにこだわった喫茶店」を強調するために表記したもので、ネルドリップによる一杯だてのハンドドリップスタイル<Cafe>に、毎日工場直送の新鮮なレギュラーコーヒーを販売する<Shop>を併設した、本当においしいコーヒーを楽しんでもらうための新しい業態のカフェを志向したものです。つまり、「コーヒーマシーン抽出」が前提のカフェが増化する中、その味やサービスに満足できない、飽き足らない顧客のために「本物のコーヒー」にこだわり、これを追求した喫茶店です。現在、コーヒーのいれ方は多種多様になっていますが、最もおいしいと言われる抽出方法はネルドリップです。「EXQ.」では手作りの良さを追求し、かつ安定した味のコーヒーを提供するため、ネルドリップ抽出器具を特別に開発し、1杯1杯丁寧にネルドリップで抽出したコーヒーを提供する。そんなこだわりの喫茶店を表すために、「HAND DRIP CAFE」(ハンドドリップスタイルのコーヒーを提供するカフェ)の文字を店名とともに「EXQ.」の上に表記したものです。
このように喫茶店名(若しくは喫茶店におけるコーヒー抽出方法)としての本願商標を想定するならば、「HAND DRIP CAFE」の文字が商標中にあるからといって、「コーヒー」に商品を限定しなければならない理由はないはずです。まして、商品の品質の誤認が生じるなどということはあり得ないはずであります。なぜなら、「コーヒー」しか提供しない喫茶店など常識的にあり得ないからであります。逆に言うと、喫茶店名に「HAND DRIP CAFE」の文字があるからといって、コーヒー以外のものは何も提供しない喫茶店だなどと誰も思うはずがないということであります。この文字があってもせいぜい「ハンドドリップで入れるコーヒーにこだわりのある喫茶店」程度のことしか、需用者は想定しないと思われます。したがって、審査官殿が主張する品質の誤認など、実際の取引の場においては起こり得るはずはないものと思われます。
(3-2)
このことは、過去の商標登録例を見ても言い得ることです。つまり、審査官殿の主張が正しいとすれば、「CAFE」の文字を含む商標は、第30類(旧29類)を指定する場合において、その指定商品は全て「コーヒー」でなければならないということになるのでありましょうが、実際にはコーヒー以外の商品を指定しても、以下の如く多数登録されております。
 1.登録2156943 ¢CAFE NA SOMBRA\カフェ・ナ・ソンブラ…第1号証
 2.登録2666819 SINCE\¢CAFE SWISSINN\1979…第2号証
 3.登録2694595 カフェクリエイター\¢CAFE CREATOR…第3号証
 4.登録2711997 カフェ・ド・ラ・ペ\¢Cafe de la Paix…第4号証
 5.登録3250446 ¢Cafe\no\Bar …第5号証
 6.登録4058586 FREDS\CAFE …第6号証
 7.登録4215206 ¢Cafe\commeca …第7号証
 8.登録4232108 ¢Cafe\FIORENTE\カフェ フィオレンテ…第8号証
 9.登録4259571 ¢CAFE LOLITA\カフェ ロリータ …第9号証
10.登録4259694 ¢Ucc Cafe Cafe …第10号証
11.登録4419064 §theisland\cafe …第11号証
12.登録4441586 ¢Cafe\CASTEL …第12号証
13.登録4503221 ¢Cafe\commeca …第13号証
14.登録4527701 ¢Q.E.D.cafe …第14号証
 また、第30類(旧29類)では無くても、他の商品区分(第28,29,31,32)に属する飲食料品や嗜好品等を指定商品とするもので、「CAFE」の文字を含む商標は、やはり以下のとおり多数存在しています(これらはほんの一部です)。
 1.登録2268942 ¢CAFE\DE\PARIS …第15号証
2.登録2363832 ¢LesPres∞RESTAURANT\CAFE…第16号証
 3.登録2426308 ¢CAFE∞LeCoq∞キャフェ・ル・コック …第17号証
 4.登録2445151 §PiraRuCu\CAFE\THECARIBBEANCAFE&RESTAURANT …第18号証
 5.登録2450760 ¢CAFE\LeCoq\キャフェ・ル・コック …第19号証
 6.登録2552233 ¢CAFE\dela\PAIX …第20号証
 7.登録2590372 ¢CAFE\dela\PAIX …第21号証
 8.登録2624481 The River ¢Cafe …第22号証
 9.登録2697530 ¢CAFE QUICK …第23号証
 10.登録2711428 ¢MON CAFE …第24号証
 11. 登録3208602 ¢Cafe de Flore …第25号証
 12. 登録3337070 ¢CAFE~\TASSE …第26号証
 13. 登録4274287 ¢KonditoreiーCafe\GLUCKSーSCHWEIN∞Seit1987 …第27号証
 14. 登録4311640 オープンカフェ\¢OPEN CAFE …第28号証
15. 登録4468428 ビクトリーカフェ\¢VICTORY CAFE …第29号証
16.登録4523030 §Cafe\LA\SHOWER\カフェ・ラ・シャワー…第30号証
(3-3)
この様に、「CAFE」の文字を含んでいても、指定商品を「コーヒー」に限定されることなく登録された例は多数にのぼります。本願商標もこれら多くの登録商標と軌を一にするものであり、登録適格なものと思料します。したがって、本願商標は、その構成中に「コーヒー」「喫茶店」を意味する「CAFE」の文字を有してなるものですが、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用しても、前記多くの登録例と同様に、商品の品質について誤認を生じさせるおそれは全くないものと考えます。それ故、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当することはないものと思料します。

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商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#32

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本願商標「SuperJ Engine/スーパージェイエンジン」×引用商標1「ENGINE」、2「エンジン」

1.出願番号  商願2000-118213
2.商  標  「SuperJ Engine/スーパージェイエンジン」
3.商品区分  第9類:電子応用機械器具及びその部品 他
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由 「SuperJ Engine/スーパージェイエンジン」は
       「ENGINE」と「エンジン」に類似する。

拒絶理由通知 意見書
出願商標・商標登録第4556657号
引用商標1・商標登録第4243616号
引用商標2・商標登録第4356747号(標準文字)

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商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#31

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本願商標:「内面美容」拒絶理由通知

1.審判番号  平成11年審判第6437号(商願平8-67398号)
2.商  標  「内面美容」
3.商品区分  第32類:清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース等
4.適用条文 商標法第3条第1項第6号
5.拒絶理由  「内面美容食品」「内面美容の一環として健康食品~」等の文章が新聞記事にあり。商品の品質、特徴等を簡潔に表す宣伝文句と理解されるに過ぎない。
6.審判における反論(請求の理由)

出願商標
拒絶査定不服審判 反論 拒絶理由通知 tmr4525460

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米国特許商標庁(USPTO)に対する手続代理人の代理権限

米国特許商標庁への代理資格 米国の知的財産実務に精通している方は何を今更というところですが、日本の特許庁(JPO)に対する弁理士と弁護士の職業代理人として認められている権限と、米国特許商標庁(USPTO)に対するPate …

商標登録insideNews: 「ルイ・ヴィトン」のパロディーブランド訴訟 最高裁へ│WWD JAPAN

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はロサンゼルスにあるバッグ販売会社「マイ・アザー・バッグ(MY OTHER BAG)」が同ブランドのモノグラムトートをキャンバスバッグにプリントした行為が商標侵害だと主張する一連の訴訟について、2016年12月に下された二審の判決を不服としてアメリカ合衆国最高裁判所に上告した。

情報源: 「ルイ・ヴィトン」のパロディーブランド訴訟 最高裁へ│WWD JAPAN

Louis Vuitton Malletier S.A. asked the Supreme Court to overturn a ruling that My Other Bag Inc.’s mimicking of the fashion house’s famous interlocking logo is a parody not subject to a trademark dilution charge ( Louis Vuitton Malletier, S.A. v. My Other Bag, Inc. , U.S., No. 17-72, review requested 7/13/17 ).

情報源: Louis Vuitton Asks High Court to Reverse Trademark Parody Ruling | Bloomberg BNA

Here’s an example of an alleged “trademark bully,” one of the world’s most famous fashion brands.

情報源: Bagging A Trademark Bully | Above the Law

コメント:知財系の訴訟は、CAFCが法の番人のように機能する面がありますが、憲法問題である表現の自由(1st Amendment)の争点を盛り込むことで、さらなるフルバックの最高裁(US Supreme Court)での判断も可能となりますので、最後まで戦うとの戦略の場合は、商標や不正競争の訴因に加えて表現の自由が侵害されているとの立場をとることもあります。

Louis Vuitton vs. My Other Bag

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商標登録insideNews: 「西尾の抹茶」商標危機 : 中部発 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 特産品のブランドを、政府などが知的財産として守る地理的表示(GI)保護制度に登録された「西尾の抹茶」(愛知県西尾市など)の商標を、中国企業が欧州連合(EU)と中国で申請し、8月以降、登録される予定となっていることがわかった。登録されると、日本側は現地でブランド展開ができなくなる。生産者らでつくる西尾茶協同組合は「悪質なブランド乗っ取りで到底、認められない」として、現地の当局に近く異議を申し立てる。

情報源: 「西尾の抹茶」商標危機 : 中部発 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

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商標登録insideNews: JPO Decides WHITNEY HOUSTON Trademark is Descriptive When Used on Music Recordings – IPWatchdog.com | Patents & Patent Law

情報源: JPO Decides WHITNEY HOUSTON Trademark is Descriptive When Used on Music Recordings – IPWatchdog.com | Patents & Patent Law

コメント:世界的に著名な故人の歌手WHITNEY HOUSTONさんの商標について、特許庁(JPO)は、9類のダウンロードできる録画等について、「本願商標がその指定商品中,上記第9類の商品に使用されるときは,これに接する需要者,取引者は,その商品に係る歌唱者,実演者が同人であることを表したものと認識,理解するというのが相当であるため、本願商標は,商品の品質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものであり,商標法第3条第l項第3項に該当する。また,上記第9類の商品中,同人と何ら関係のない商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため,商標法第4条第l項第16号に該当する。」と判断し、拒絶査定不服審判では、9類を全て削除したために25類と16類の権利も失うのを防いだ審決となっています。米国の商標は、出所を指標するものは”商標”という考えかたがありますので、特許庁の商標法第3条第l項第3項の品質を普通に表示するとの判断はかなり考えかたが違いますので、多分、審査段階ではその点について意見したものと推測されますが、特許庁は判断を変えずとの審決となっています。

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