特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。
本願商標「FORMAssistant/フォームアシスタント」→指定役務「…情報処理システムの構築・導入…」
1.出願番号 商願2002-95677
2.商 標 「FORMAssistant/フォームアシスタント」
3.商品区分 第42類
4.適用条文 商標法第6条第1項、2項
5.拒絶理由 情報処理システムの構築・導入」という表現の具体的な意味不明。
拒絶理由通知 意見書における反論
(1) 拒絶理由通知書において、審査官殿は、以下のように認定されています。
『 この商標登録出願は、次の理由によって、拒絶をすべきものと認めます。 これについて意見があれば、この書面発送の日から40日以内に意見書を提出してください。
理 由
この商標登録出願に係る指定役務中、第42類「電子計算機を用いて行う情報処理システムの構築・導入に関する助言」は、下記の理由により、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められません。また、前記指定役務が不明確でその内容及び範囲が把握できないことから、政令で定める商品及び役務の区分に従って役務を指定したものと認めることもできません。したがって、この商標登録出願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しません。ただし、前記指定役務の内容(目的、用途、提供の方法、効能等)を意見書において具体的に説明し、商品及び役務の区分に従ってその指定役務の表示を明確なものに補正したとき、または、前記指定役務が下記の補正案に該当するときにその補正案のように補正したときはこの限りではありません。
記
理由:前記指定役務の「情報処理システムの構築・導入」という表現の具体的な意味が分かりません。
補正案 第42類 電子計算機を用いて行う情報処理システム構築に係る機器の設計に関する助言,第42類 電子計算機を用いて行う情報処理システム構築に係る電子計算機用プログラムの設計・作成・保守・インストールに関する助言, 』
しかしながら、本出願人は、斯かる認定に承服できませんので、以下に意見を申し述べます。
(2) 審査官殿の認定によれば、指定役務中の「情報処理システムの構築・導入」という表現の具体的意味が分からず、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない、と言うことであります。しかし、本出願人は、この役務表現でもその内容及び範囲は取引者・需用者に十分に理解できると思料しますし、また、過去に同様の役務表示を審査した他の審査官も、この役務表示で登録を認めておりますので、今般の審査官殿の判断は、今までの審査官の判断と相入れないものであり、到底納得できません。即ち、本願の指定役務は、別の表現を用いれば、例えば、“電子計算機を用いて行う情報処理システム構築に係る電子計算機用プログラムの設計・作成等に関する助言”というようなことになりますが、このような内容の表示は、今現在の役務表現でも十分になされていると思います。
(3) 本出願人は、過去に“第42類「電子計算機を用いて行う情報処理システムの構築・導入に関する助言」”という本願と同様の役務表現を用いて、数多くの商標登録出願を行ってきておりますが、このような指定役務の表現に対し、担当審査官から「指定役務が不明確でその内容及び範囲が把握できない」などと言われたことは、一度もありません。
例えば、以下の登録商標は、本出願人の所有に係るものですが、その指定役務には、全て“第42類「電子計算機を用いて行う情報処理システムの構築・導入に関する助言」”という表現を含んでおります。
1.第4524941号「Corpora/コーポラ」(H13.11.22登録)…第1号証
2.第4529213号「anyWarp/エニーワープ」(H13.12.14登録)…第2号証
3.第4617425号「IntraWall/イントラウォール」(H14.11.01登録)…第3号証
4.第4623673号「X(CROSS)-Management」(H14.11.22登録)…第4号証
5.第4623712号「BBStation/ビービーステーション」(H14.11.22登録)…第5号証
6.第4625598号「@Service24」(H14.11.29登録)…第6号証
7.第4651908号「HouseDiff」(H15.03.07登録)…第7号証
これらの審査に当たられた審査官の中には同じ方もいらっしゃいますので、7件で都合5名の審査官が審査に当たられたことになりますが、その5名の審査官はいずれもこの役務表現、即ち、「電子計算機を用いて行う情報処理システムの構築・導入に関する助言」という役務の記載に対して何らクレームを付けることなく、これらすべての商標を登録しております。この表現で指定役務の内容及び範囲を十分に理解できると判断したからだと思います。然るに、今般の審査においてのみ、今までと異なる取り扱いをするというのも審査の一貫性に欠け、如何なものかと思います。しかも、何十年も過去のことと言うならまだしも、つい最近の事例でありますので尚更です(上記商標は、平成13~15年に掛けて登録されたものです)。
(4) 以上のように、本願の上記指定役務も、今の表現のままでその内容及び範囲が十分に理解できると思います。よって、上記最近の登録例(第1~7号証)に倣って本願も登録されてしかるべきだと思います。