商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#76

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「NNAKANO」×引用商標「nNakano」

1.出願番号  商願2005-81773
2.商  標 「NNAKANO」×「nNakano」
3.商品区分  第20類ショーケース及びその他の陳列棚…ほか
4.適用条文商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  類似する(「NAKANO」「Nakano」の文字を共通にする)

拒絶理由通知 商標登録第4951412号
出願商標・商標登録第4951412号
 
商標登録第1371846号
引用商標1・商標登録第1371846号及び引例商標2・商標登録第1558535号
商標登録第2032637号
引用商標3・商標登録第2032637号
商標登録第4757967号
引用商標4・商標登録第4757967号
 

拒絶理由通知 意見書における反論

【意見の内容】
(1) 拒絶理由通知書において、審査官殿は、本願商標は
 1.登録第1371846号(商公昭53-003014)の商標(引用商標1)、
 2.登録第1558535号(商公昭57-015291)の商標(引用商標2)、
 3.登録第2032637号(商公昭62-064815)の商標(引用商標3)及び
 4.登録第4757967号(商願2003-041814)の商標(引用商標4)と
同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできないと認定された。
 しかしながら、本出願人は、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛れることのない非類似の商標であると思料しますので、前記認定には承服できず、以下に意見を申し述べます。
(2) 本願商標は、願書の商標見本からも明らかなように、「Nを図案化した中に機械部品と覚しき図柄を組み込んだ図形部分」とその右側に配した「Nakanoの欧文字部分」とからなるものでありますが、引用商標1~4はいずれも「手書き風に大書したnらしき欧文字」とその下に配した「NAKANOの白抜き欧文字」とからなる商標を含んでなるものであります。然るに、審査官殿は、本願商標と引用各商標とは、「Nakano」「NAKANO」の文字及び「ナカノ」の称呼を共通にする商標であるから、互いに類似すると認定し、今般の拒絶理由通知を発したのだと推察いたしますが、この「Nakano/NAKANO」の部分は、日本国内に数多く存在する「ありふれた氏」である「中野」を単に欧文字表記したものであり、それ自体、自他商品識別力を発揮する言葉ではないと考えます。つまり、「NAKANO」「Nakano」の部分からたとえ「ナカノ」の称呼が生じたとしても(称呼自体は識別力のない部分からも生じ得る)、この部分は商標の要部ではなく、自他商品識別機能を発揮しない部分でありますので、この部分の称呼を商取引に際して識別のために用いることはありません。したがって、識別力を生じないこの部分を捉えて、類否判断の基礎とした今般の判断は、妥当性を欠くものと思料いたします。類否判断の対象とならない部分「Nakano/NAKANO」を、類否判断の目安とすることはできません。審査官殿の認定は、誤った商標の要部認定に基づくものであり、到底受け入れることはできません。繰り返しますが、商標の要部でない言葉をとらえ、その部分を抽出して称呼するという手法は、商標の要部認定を誤ったもので到底受け入れることはできません。そして、本願商標と引用商標1~4とは、この要部となり得ない「Nakano/NAKANO」の文字部分を除いては、互いに特異な外観を有しますし、看者の受ける印象も大きく異なるものと思いますので、両者は決して類似するものではありません。
(3) そして、このことは、以下の事実からも明らかであります。即ち、例えば、中野製薬株式会社所有の今般の引用商標2(登録第1558535号)は、昭和52年10月6日に出願、昭和57年12月24日に商標登録されたものでありますが、実は本出願人は、この引用商標2の出願よりも10年近くも前の昭和43年12月26日に、既に現在の本願商標とほぼ同一の商標を出願し(商願昭43-92857)、商標登録第933999号(昭和46年10月26日登録:第1号証)としてに商標登録を受けております。つまり、本願商標とほぼ同じ商標について、本出願人は既に37年も前に商標登録を受けておりますが、その存在があるにも拘わらず、その後願に係り且つ指定商品もほぼ同一の引用商標2が登録を受けているわけであります。これは本出願人の前記37年前の登録商標と今般の引用商標2とは、互いに類似しないと判断されているからこそ併存されたものであり、これがもし今般の審査官殿のような判断をし、互いに類似の関係にあるとされた場合には、引用商標2の存在そのものが怪しいということになります。しかし、現実には本願商標とほぼ同一の商標(第933999号)と引用商標2(登録第1558535号)とは、23年以上も併存しているわけであり、これは両者が類似しないことの何よりの証左であります。
(4) 以上の次第でありますので、本願商標は、引用商標1~4と紛れることのない非類似の商標であり、十分登録適格性を有するものと確信いたします。

商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例目次

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商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#77

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「初摘みコーヒー/TOARCO TORAJA/FIRST CROP × 引用商標「植物の図形+FIRST CROP」30類

1.出願番号  商願2003-107347(拒絶査定に対する審判事件)(不服2005-3975)
2.商  標 「初摘みコーヒー/TOARCO TORAJA/FIRSTCROP」
3.商品区分  第30類:トラジャ産のコーヒー
4.適用条文商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  ファーストクロップの称呼を共通にする類似の商標である。

拒絶理由通知 出願商標・商標登録第4955984号
出願商標・商標登録第4955984号
引例商標1・商標登録第4199999号
引例商標1・商標登録第4199999号
引用商標2・商標登録第4207716号
引用商標2・商標登録第4207716号

審判における反論(請求の理由)拒絶理由通知

【手続の経緯】
出     願 平成15年12月 3日
拒絶理由の通知 平成16年 6月18日
同 発送日 平成16年 6月21日
出願人名義変更届平成16年 7月27日
(東食と共願)
意  見  書 平成16年 7月29日
拒 絶 査 定 平成17年 2月 2日
同 謄本送達 平成17年 2月 7日

【拒絶査定の要点】
 原査定は、“この商標登録出願は、平成16年6月18日付けで通知した理由によって、拒絶をすべきものと認めます。なお、出願人は、意見書を提出して種々述べていますが、本願商標は「初摘みコーヒー」、図形を挟んでなる「TOARCO TORAJA」及び「FIRSTCROP」の文字よりなるものですが、これよりはその商標全体より判断して、その構成中にある「FIRSTCROP」の文字より「ファーストクロップ」の称呼をも生じるものと判断するのが相当と認められます。他方、引用に係る商標登録第4199999号商標及び同第4207716号商標からは「ファーストクロップ」の称呼が生ずるものと認められます。そうとすると、本願商標と各引用商標は称呼上類似の商標と判断するのが相当であり、本願商標の指定商品中には各引用商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているものですから、先の認定を覆すことはできません。”というものであります。
【本願商標が登録されるべき理由】
然るに、本出願人は、意見書において、本願商標構成中の「FIRSTCROP」は「その年の最初に収穫したトラジャ産コーヒー豆を原料とするコーヒー」を表すためのもので、いわば「初摘み」(即ち、その年の最初に収穫したコーヒー豆)を意味する文字であり、この「FIRSTCROP」に識別標識としての機能はない旨述べたにも拘わらず、かかる認定をされたことに対しては、納得できないところがあり、ここに再度ご審理頂きたく、審判を請求する次第であります。
(a)本願商標の構成
本願商標は、願書の商標登録を受けようとする商標に表示したとおり、大きく横書きした「初摘みコーヒー」の文字を最上段に配置し、その下に「TOARCOTORAJA(+家の図形)」を横書きし、更にその下に「FIRSTCROP」と横書きして、全体を三段に構成したもので、第30類「トラジャ産のコーヒー」を指定商品とするものであります。
(b)引用商標の構成
これに対し、今般の拒絶査定における引用商標は、以下の2件であります。
 1)商標登録第4199999号商標(第1引用例)
この第1引用例の商標は、「植物の図形」と「FIRSTCROP」の欧文字から構成され、第30類「コーヒー及びココア,茶」を指定商品とするものであります。
 2)商標登録第4207716号商標(第2引用商標)
この第2引用例の商標は、「FIRSTCROP」の欧文字から構成され、同じく第30類「コーヒー及びココア,茶」を指定商品とするものであります。
(c)審査官の認定に対する反論
(c-1) 審査官の認定によれば、まず、本願商標は「初摘みコーヒー」、図形を挟んでなる「TOARCO TORAJA」及び「FIRSTCROP」の文字よりなるものであるが、これよりはその商標全体より判断して、その構成中にある「FIRSTCROP」の文字より「ファーストクロップ」の称呼をも生じるとしております。しかしながら、本願商標から、「ファーストクロップ」の称呼が生じることはないと思料します。本願商標の「FIRSTCROP」の文字は、「その年の最初に収穫したトラジャ産コーヒー豆を原料とするコーヒー」を表すためのもので、いわば「初摘み」(即ち、その年の最初に収穫したコーヒー豆)を表す品質表示的な英文字表記だからです。つまり、本願商標は「初摘みのトラジャ産コーヒー豆を原料とするコーヒー」であることをイメージし、それを強調した商標であって、「FIRSTCROP」はまさにこの「初摘み」という品質・原材料を普通に英語表記したものであります。それ故、ここに識別標識としての機能はありません(何ら識別力は生じません)。この「FIRSTCROP」は、単に「今年最初の収穫に係るコーヒー豆を用いたコーヒー」という品質を認識させるだけのものであります。そして、自他商品識別機能を有する本願商標の要部は、大書した「初摘みコーヒー」と言う奇抜な表記の仕方と共に「TOARCOTORAJA+家の図形」の部分(特に、この「TOARCO」と「家の図形」部分)にこそ存在するものと思料します。つまり、本願商標「初摘みコーヒー/TOARCOTORAJA(+家の図形)/FIRSTCROP」中の、少なくとも「FIRSTCROP」の文字部分は「今年最初の収穫に係るコーヒー豆」を表すにすぎない品質・原材料表示であって識別力は生じませんので、本願商標構成中の「FIRSTCROP」の文字部分より、「ファーストクロップ」の称呼が生じることはありません。識別力のない部分のみを捉えて称呼し取引することはあり得ないからです。この意味で、本願商標より「ファーストクロップ」の称呼が生じるとした審査官の判断は誤りであります。
(c-2) 次に、審査官は、2つの引用商標に関して、「FIRSTCROP」の文字部分より「ファーストクロップ」の称呼が生ずるとしております。しかしながら、前述したように、「FIRSTCROP」の文字は、単なる商品の品質・原材料表示にすぎないと考えますので、この部分から単独の「ファーストクロップ」の称呼は生じないものと思料します。然るに、第2引用例の欧文字のみからなる「FIRSTCROP」は、誤って登録されたものと思料しますし、また、第1引用例は、植物の図形部分があるからこそ識別力が認められ登録されたものと思料します。
 このように、両引用例に共通する「FIRSTCROP」の文字は、コーヒーなどの指定商品との関係にあって単に品質を表示するに過ぎない用語でありますので、商品識別のために、その「FIRSTCROP」の部分のみを捉えて称呼し取引することは無いものと思料します。識別力のない部分を称呼して取引しても、何の商品か把握できず、互いに識別できないからであります。それ故、「FIRSTCROP」の部分が共通するといっても本願商標と両引用商標とは商標的に類似するものではありません。両商標は互いに紛れることのない非類似の商標であります。
(c-3) そして、この「ファーストクロップ」「FIRSTCROP」の文字が品質をあらわす文字であることは、多数の使用例からも理解できます。即ち、たとえば、Yahoo!JAPANなどのインターネット検索エンジンで検索してみると、例えば、以下のような、品質・原材料表示としての使用が多くなされています。このことは、この「ファーストクロップ」を商標として用いても、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することが出来ない、即ち、自他商品識別標識として機能しない(識別力がない)ことを意味します。
 そして、この使用例としては、以下のようなものがあります。
(a)「…クリーミーな中ほのかな苦味も健在の本格カフェオレ風。飲んだ瞬間から口の中に広がるコーヒーの香りが良く飲みごたえがある。牛乳60%使用。ブラジルで収穫期最初に摘まれたファースト・クロップを厳選使用…」(飲物情報缶>飲み物データベース>ハ行)。…第1号証
(b)「プルカル購入に当たっては細心の注意を払い、ファーストクロップはシアトルズベストに渡し、2回目の良さそうな1ロットをおさえ、ガテマラの雨期前に出航手配した。…ガテマラは、古くからの優良農園……。長い取り引きの信頼関係がガテマラのコーヒー取り引きの歴史であり、…」(生豆の販売)…第2号証とか、
(c)「ファーストクロップ:初摘みの紅茶、清々しいこの季節に頂きたい紅茶です。」(ちょっとブレイク)。…第3号証
(d)「ブラジル手摘み完熟豆 WIND DRY …ブラジル手摘み完熟豆 WIND DRY(棚干し)フルシティロースト(やや深煎り)今回ご紹介するこの豆は、ブラジルのファーストクロップです。この農園の2003年一番摘みです。ワインで言えばボジョレーヌーボー…」(豆珈房)。
(e)「ブラジル2003年一番摘みのコーヒーが入荷しました。……ほんとに採れたてで、かなり青いので、今回深めに仕上げました。それでも、ファースト・クロップのフレッシュさがよく出ていますので、是非一度お試し下さいね。……」(豆珈房通信)。…第4号証
(f)「(コーンに関し)…02/03クロップでは同CONABの予想では37百万トンとなって増産体制ではあるが新穀(ファーストクロップ)が出回り始めるのは来年2月以降となる。…」「週明けまではセカンドクロップ・コーンの収穫、ファーストクロップ・コーン、大豆の作付けとも改善していく。」(トーメン穀物相場情報)。…第5号証
(g)「…をお楽しみください。4月初旬入荷予定です。ブルーマウンテンファーストクロップ(初摘みコーヒー)100g \1,680 …」 Copyright (C) 2004tsukashin. All right reserved.(グルメSHOPガイド)。
(h)「来ました、来ました。遂に今日!
待ち侘びてた『ファースト・クロップ』が届きましたよ!イェー!
・・・さっそく飲んでみようっ。・・・・・・・・・・・・苦い。
あれれ?香りも酸味も、フルーティなのに・・・何故に?
煎りの浅い豆と同じ甘酸っぱい味と、炭焼きみたいな微かな苦味がいっしょにあるって・・・なんか面白いなぁ(笑)。
ブレンドじゃあないよな、最初に甘味がきて、その後、後味がほろ苦い。やっぱり豆が新鮮だと違うもんなんだねぇ~。
『ファースト・クロップ』ってのは、その年最初にとれた完熟の豆を現地で精製して空輸でお届け、ってシロモンなんだけどね。
普通の豆とどう違う?と聞かれると困るくらいの微妙な違いだな、強いて云うなら値段が違うくらい(笑)。
…コーヒー大好きなんだ、私(笑)。」(雑貨のページ)…第6号証などであります。
 このように、コーヒー関係で「ファーストクロップ」と言えば、「収穫期に最初に摘まれたコーヒー豆」を意味し、商品の品質・原材料を表すものでありますので、この「ファーストクロップ」「FIRSTCROP」が、識別標識として機能するとは思えないと共に、そのような品質等を表示するにすぎない用語に独占権を認めるべきではないと考えます。
(c-4) そして、本出願人のキーコーヒー株式会社は、この「初摘みのトラジャ産コーヒー豆」を「トアルコトラジャ・ファーストクロップ(初摘み)」として、今から14年前の1991年頃より販売を開始して現在に至っており、その販売状況は、以下の通りであります。
「トアルコトラジャ・ファーストクロップ販売状況」
発売年  限定数    価 格  内容量   備 考
1991年豆 2,000セット 10,000円 500g×2  サダン織テーブルクロス付
1992年豆 2,000セット 10,000円 200g×2  オリジナルカップ付
1993年豆 2,000セット 10,000円 200g×2  オリジナルカップ付
1994年豆 2,000セット 8,000円 200g×2  オリジナルカップ付
1995年豆 2,500セット 10,000円 200g×2  オリジナルカップ付
1996年豆 2,500セット 10,000円 200g×2  オリジナルカップ付
1997年豆 2,500セット 10,000円 200g×2  オリジナルカップ付
1998年豆 3,000セット 8,000円 200g×2  ビロード袋入り
1999年豆 4,000セット 8,000円 200g×2  ビロード袋入り
2000年豆 5,000セット 8,000円 200g×2  ビロード袋入り
2001年豆 5,000セット 8,000円 200g×2  ビロード袋入り
2002年豆 4,000セット 8,000円 200g×2  ビロード袋入り
DO 5,000セット 6,000円 8g×10P×4
2003年豆 5,000セット 8,000円 200g×2  ビロード袋入り
DO 3,500セット 5,000円 8g×8P×4
2004年豆 5,000セット 8,000円 200g×2  ビロード袋入り
DO 3,500セット 5,000円 8g×8P×4
 然るに、本出願人は、「トアルコトラジャ・ファーストクロップ(初摘み)」の使用によって、需要者が引用商標の商品と間違えて購入してしまったとか、品質の誤認が生じたとか言うようなクレームは、今日に至るまでも全く受けておりませんし、引用商標の権利者からも、上記14年間の「ファーストクロップ」「FIRSTCROP」の使用に関して、何らのクレームも受けておりません。これは、「ファーストクロップ」「FIRSTCROP」が商品の品質・原材料表示にすぎず、自他商品識別標識としては機能していないことの、何よりの証左であります。
  【むすび】
以上のように、本願商標と引用商標とで共通する「FIRSTCROP」の部分は、「初摘み」ないし「初摘みのコーヒー豆」というような意味合いの言葉であって、指定商品との関係で識別力のない言葉であると思料しますし、本願商標と引用商標とは他の部分である商標の要部に共通するところはなく、むしろ全く異なったものでありますので、両者は十分に識別できるものと思料します。それ故、本願商標と引用商標とは非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではないと考えます。よって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものと思料しますので、請求の主旨の通り、原査定を取り消す、本願の商標は登録をすべきものである、との審決を求める次第であります。

------------------------------------(参考)ケース77の「審決」
不服2005- 3975
   商願2003-107347拒絶査定不服審判事件について、次のとおり
  審決する。
 結 論
   原査定を取り消す。
   本願商標は、登録すべきものとする。
 理 由
  1 本願商標
   本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第30類「トラジャ産のコーヒー」を指定商品として、平成15年12月3日に登録出願されたものである。
  2 引用商標
   原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
  (1)登録第4199999号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成8年12月19日登録出願、第30類に属する「コーヒー及びココア,茶」を指定商品として、同10年10月16日設定登録されたものである。
  (2)登録第4207716号商標は、「FIRST CROP」の欧文字よりなり、平成8年12月19日登録出願、第30類に属する「コーヒー及びココア,茶」を指定商品として、同10年11月6日設定登録されたものである。
  (以下、(1)及び(2)を一括して、「引用商標」という。)
  3 当審の判断
   本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、本願商標中の「FIRST CROP」(the first crop)の文字(語)は、「初物」の意味を有する英語である(「研究社 新和英大辞典」2120頁、株式会社研究社2003年7月発行)。そして、本願商標に係る指定商品を取り扱う業界において、「FIRSTCROP」の文字(語)及びその表音表記である「ファーストクロップ」の語が上記の意味を有する語として使用されている、以下の(1)ないし(3)の事実が認められる。
(1)「缶缶辞典」のウエブサイトの「パラダイスマウンテン100%コーヒー」の項(http://www.cancanziten.com/?can=1845)において、「FIRST CROP(ファーストクロップとは?) 収穫期の最初の一週間に摘まれた豆で、・・・(後略)・・・。」の記載がある。
(2)「飲物情報缶」のウエブサイトの「飲み物データーベース>ハ行」の項(http://drink.vis.ne.jp/nomimono_flame.htm)において「PASSOPRESSO 初摘みコーヒーカフェラッテ 甘みは標準・・・(中略)・・・「ブラジルで収穫期最初に摘まれたファースト・クロップを厳選使用・・・(後略)・・・」」の記載がある。
(3)「サンエバー株式会社」のウエブサイトの「RSW農園ブルーマウンテン・ファーストクロップ(初摘み)を毎年入荷」の項(http://www.sunever.co.jp/sunever/coffee.php)において「毎年、一番に収穫された初摘みのコーヒーは世界でもごくわずかなファンしか味わえない逸品です。」の記載がある。
   これらの事実よりすれば、本願商標中の「FIRST CROP」の文字の部分は、本願の指定商品との関係においては、その商品が「初物」であることを表示するにすぎないものというべきであるから、自他商品識別標識としての機能を有していないか、自他商品識別標識としての機能を有しているとしても、極めて弱いものであるというのが相当である。してみれば、本願商標からは、「ファーストクロップ」の称呼を生じないというべきである。したがって、本願商標から「ファーストクロップ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものであるとして、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
   その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
   よって、結論のとおり審決する
        平成18年 5月 8日
                 審判長  特許庁審判官 高野義三
                      特許庁審判官 井岡賢一
                      特許庁審判官 岡田美加
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商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例目次

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商標登録insideNews: Steve McQueen’s family sues Ferrari over trademark

Steve McQueen’s descendants are suing Ferrari for marketing autos around the image of the iconic actor without compensating the family. The Italian sports car company profited unfairly from the actor’s legacy in 2017 when it sold “The McQueen,” a limited-edition model in connection with the 70th anniversary of Ferrari-branded cars, said the lawsuit, which was filed this week in a California state court.

情報源: Steve McQueen’s family sues Ferrari over trademark

Steve McQueen’s Ferrari: $10.2M

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商標登録insideNews: 無断で焼酎の商標登録取り消し|NHK 鹿児島県のニュース

県内2つの焼酎の銘柄について、福岡県の会社が無断で中国に商標登録したことから、焼酎を製造する酒造会社が中国の商標局に取り消しを求めたところ、2日までに認められたことが分かりました。 取り消しが認められたのは、「森伊蔵」と「伊佐美」の銘柄の焼酎です。 これらの焼酎を製造している酒造会社2社によりますと、11年前に福岡県の会社がそれぞれの焼酎の銘柄について、2社に無断で中国の商標局に商標登録を申請し8年前に中国で商標登録されました。

情報源: 無断で焼酎の商標登録取り消し|NHK 鹿児島県のニュース

「森伊蔵」「伊佐美」中国での商標奪回へ(日テレNEWS24)

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商標登録insideNews: テコンVはマジンガーZのパクりではない 韓国地裁判断:朝日新聞デジタル

テコンV 模倣 否定判断

韓国で1970年代に子供たちが熱狂したアニメ「ロボット・テコンV」。長い間日本の人気アニメ「マジンガーZ」のぱくり、というありがたくない代名詞を日本のファンからもらってきたが、ソウル中央地裁は最近「テコンVはマジンガーZの模倣ではない」との判断を下した。

情報源: テコンVはマジンガーZのパクりではない 韓国地裁判断:朝日新聞デジタル

情報源: 韓国地裁が「マジンガーZ」のパクリを否定した「テコンV」妥当な判決か? | デイリー新潮

로보트 태권브이 주제가 (Robot Taekwon V – Theme Song)、2:37 テコンV 模倣 否定判断

로보트 태권브이 주제가 (Robot Taekwon V - Theme Song)

”だいたい”3分でわかる「劇場版マジンガーZ / INFINITY」、5:24

”だいたい”3分でわかる「劇場版マジンガーZ / INFINITY」

商標登録insideNews: 中国にあふれる偽「K-Food」、韓国企業が共同で訴訟へ=韓国ネット「パクりが伝統文化?」| エキサイトニュース
In the 1970s in Korea, children were enthusiastic about the animation “Robot Taekwon V”. For a long time, Japanese fans have given the unwelcome pronoun of ripping off the popular Japanese anime “Mazinger Z,” but the Seoul Central District Court recently ruled that “Taekwon V is not an imitation of Mazinger Z.”

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商標登録insideNews: Aloha Poke Co.: Chicago chain tells Hawaiians to stop using ‘Aloha’ with ‘Poke’ – The Washington Post

Now the lawyers, with the firm Olson and Cepuritis Ltd., were demanding that he change the business’s name, website, logo and materials to cease using the words “Aloha” and “Aloha Poke” immediately. “Aloha Poke [Co.] would prefer to settle this matter amicably and without court intervention,” the letter read. “We therefore request that you immediately stop all use of ‘Aloha’ and ‘Aloha Poke.’ ”

情報源: Aloha Poke Co.: Chicago chain tells Hawaiians to stop using ‘Aloha’ with ‘Poke’ – The Washington Post

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商標登録insideNews: キリンラーメンの新名称が決定!! | キリンラーメン

7/17より開催しておりました「キリンラーメン総選挙」の結果、キリンラーメンの新名称は3候補(ヘキナン・キリマル・オガサワラ)より「キリマル」に決定いたしました!

情報源: キリンラーメンの新名称が決定!! | キリンラーメン

情報源: 「キリマル」に変わります キリンラーメン新名称決定:朝日新聞デジタル

情報源: キリンラーメン:新名称はキリマルラーメン 商標権係争中 – 毎日新聞

商標登録insideNews: 小笠原製粉:「キリンラーメン」変更へ 新名称を募集

[コメント]それなりの知名度もあり、ドメインもkirinramen.jpですから、新名称への変更はそれほど簡単ではないように推測します。

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商標登録insideNews: 農水省、「農泊」の商標使用に許諾申請を義務化 | やまとごころ.jp

農林水産省は、「農泊」の商標登録および使用規約について発表した。今後「農泊」という表現は、農水省の使用許諾を受けた上で使用する必要がある。 「農泊」(登録番号第4721507号 第43類)は、2003年にNPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会会長の宮田静一氏により「農家による宿泊施設の提供」として登録商標されており、農水省は同氏より専用使用権の設定を受けている。また、上記商標以外の「農泊」は、農水省の商標として現在登録申請を行なっている。

情報源: ★ 農水省、「農泊」の商標使用に許諾申請を義務化 | やまとごころ.jp

[コメント] 記事によれば「農泊」という言葉を農林水産省が商標として独占的に使用し或いはライセンスするということが企画されています。ところが、現在登録されているのは、登録番号第4721507号 第43類 農家による宿泊施設の提供だけで、他の商標はまだ出願中(商願2018-86421、出願日 平成30年7月3日)です。懸念されるのは、農泊の定義かもしれません。農林水産省は、農泊を農山漁村滞在型旅行と考えていると思われますが、ライセンスの根本の商標権は「農家による宿泊施設の提供」だけですので、農村での民泊、或いは漁村や漁師の家での宿泊施設の提供は、専用権の範囲外です。出願中の商標(2018-86421)がカバーしているかと思えば、「第43類 宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ(42A02),飲食物の提供」となっていて、 宿泊施設の提供(42A01)は権利範囲から外されています。即ち、農家以外の農山漁村の宿泊施設の提供は、権利になる予定とはなっていない状況で、ライセンスするとすれば禁止権不行使型使用許諾となります。

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