青森GI 指定前の意見募集
パブリックコメント 410070016 の「「酒類の地理的表示として青森(清酒)を指定する件(案)」に対する意見募集について」に関する意見募集の実施についての詳細です。受付締切日時 2025年5月15日、早ければ6月にも国税庁長官の指定となる予定です。
「酒類の地理的表示として青森(清酒)を指定する件(案)」に対する意見募集について
第2 産地の範囲 青森県
第3 酒類区分 清酒
第4 生産基準
1 酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性に関する事項
(1)酒類の特性について 青森の清酒は、総じて適度な米の旨味があり、まろやかな口当たりですっきりとした後味が感じられる酒質である。 また、純米吟醸酒・吟醸酒はメロンやリンゴのような果実様の香りが爽やかな甘味・旨味と調和するとともに、酸味と苦味によるキレや締まりの良い後味が感じられる。 まろやかな口当たりですっきりとした後味が感じられる青森の清酒は、新鮮な ヒラメやホタテの刺身のほか、年末年始の食卓に欠かせないナマコ酢など、青森県の特産品である魚介類との相性がとても良い。
(2)酒類の特性が酒類の産地に主として帰せられることについて
イ 自然的要因
青森県は、本州の最北端に位置し、西は日本海、北は津軽海峡、東は太平洋に面しており、下北半島と津軽半島の間には広大な陸奥湾を抱いている。県中央部には八甲田山系を擁する奥羽山脈が南北に広がるほか、世界自然遺産である白神山地や津軽富士と称される岩木山などの雄大な山々を有している。 このように県全域にわたる広大で緑豊かな山々が雪解け水や雨水を蓄えることにより、青森の酒造りに欠かせない豊富で良質な伏流水を育んでいる。 また、夏は太平洋側で冷たく霧を伴った偏東風(ヤマセ)のために低温多湿の日が多くなり、冬は冷たく湿った空気が八甲田山系にぶつかることにより日本海側は大雪になるなど、地域によって気候が大きく異なる複雑な海域や地形を形成している。 青森ではこのような気候風土を踏まえて、昭和35年(1960年)から冷涼な青森に適する酒造好適米の開発に取り組んできた。 こうして青森の酒は、気候風土に適した米と豊富で良質な水から醸造され、青森県の冬の厳寒を活かした 低温でゆっくりと発酵させる吟醸造りにより、総じて米の旨味とまろやかな口当たりがあり、すっきりとした後味を感じられる酒質を形成している。
ロ 人的要因
青森の酒造りは、存する最も古い記録によると慶長頃(1596~1615年)には行われていたと伝えられる。弘前藩第二代藩主の津軽信枚のぶひらの時代(1607~1631年)には、江戸への米の積出し港として青森港が開港し、商家や酒造業者が各地から集められた。江洲(近江)からは、「酒造家」の上原屋伊左衛門が招かれ、藩の保護下に醸造を開始し、上方の酒造技術を広く伝授していった。さらに、第四代藩主の津軽信のぶ政まさの時代(1656~1710 年)には、大規模な開田により 30万石近くを生産したといわれており、その米は、当時、上方において秋田や庄内産米と同等の高い評価を受けていた。また、この地の水は、津軽信政の客臣の野本道元をして「外ヶ浜、油川町(現在の青森市)の小流は宇治川の水より七匁軽し。若し酒を醸さば銘酒を得」と評され日本第一の折り紙をつけられている。このように良質で豊富な米と水を有し、冷涼な気候に恵まれた弘前藩は、清酒の醸造における好条件が整っていた。 同じ頃、蝦夷地と上方を結ぶ北前船が青森に寄港するようになると、青森の酒は蝦夷地へ輸出されるようになった。また、青森の酒造業者では、「近江屋、大阪屋、三国屋、越前屋、奈良屋、兵庫屋」等の関西系の屋号が多く使用され、関西型の酒造用具が用いられていたことからも上方の酒造技術が導入されていたと考えられる。 良質で豊富な米と水に加え、北前船による蝦夷地との交易や上方の酒造技術の導入により、青森における酒造りはますます盛んとなり、藩政時代における津軽地方の大資本家は大部分が酒造業者であったと言われるほどであった。 近代に入ると、大正15年(1926年)には、青森県工業試験場(現・青森県産業技術センター弘前工業研究所。以下「県試験場」という。)内に醸造部が設置され、官民一体となった技術研修が行われるようになった。昭和28年(1953年)に設立された青森県酒造組合に酒蔵の製造責任者と県試験場の研究職員からなる「技術委員会」が設置されてからは、酒造技術研修会をはじめ、県産米を使用した市販酒と県外酒を比較する市販酒勉強会や、蔵元の若手を中心に構成された「青醸会」による官能勉強会など、酒造技術の継承及び向上のため、様々な取組が行われた。 また、青森県農業試験場(現・青森県産業技術センター農林総合研究所)では、昭和35年(1960年)から青森県の冷涼な気候に適した酒造好適米の育成に取り組み、さらに、県試験場では、青森県農業試験場が育成した酒造好適米の酒造適性を研究することで、多くの県オリジナル酒米(古城錦・豊盃・華吹雪・華想い・華さやか・吟烏帽子)が生まれた。特に、今や青森県のスタンダード酒米となった「華吹雪」は、収量も安定し、栽培しやすいことから、全国11 位の生産量を誇り、製成酒は米の旨みが凝縮された味わい深い酒となる。また、県では「華吹雪」「華想い」の実用化にともない、県オリジナル酵母として、メロンやリンゴの香りを生み出す青森県のオリジナル酵母(まほろば華・まほろば吟・まほろば醇・まほろば芳)が開発されるなど、青森の気候風土に合った原料等が数多く生み出された。
2 酒類の原料及び製法に関する事項
(1)原料
イ 米及び米こうじに青森県内で収穫した米(農産物検査法(昭和26年法律第144 号)により3等級以上に格付けされたものに限る。)のみを用いたものであること。
ロ 水に青森県内で採水した水のみを用いたものであること。
ハ 酒税法(昭和28年法律第6号)第3条第7号に規定する「清酒」の原料を用いたものであること。ただし、酒税法施行令(昭和37年政令第97号)第2条に規定する清酒の原料のうち、アルコール(原料中、アルコールの重量が米(こうじ米を含む。)の重量の100分の10を超えない量で用いる場合に限る。)以外は用いることができないものとする。
(2)製法
イ 酒税法第3条第7号に規定する清酒の製造方法により、青森県内において製造したものであること。
ロ 清酒の製法品質表示基準(平成元年11月国税庁告示第8号)第1項の表の右欄に掲げる製法品質の要件に該当するものであること。
ハ 製造工程上、貯蔵する場合は青森県内で行うこと。 ニ 消費者に引き渡すことを予定した容器に青森県内で詰めること。
3 酒類の特性を維持するための管理に関する事項 地理的表示「青森」を使用するためには、当該使用する酒類を酒類の製造場(酒税法第 28 条第6項又は第 28 条の3第4項の規定により酒類の製造免許を受けた製造場とみなされた場所を含む。)から移出(酒税法第28条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)をするまでに、当該使用する酒類が「酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性に関する事項」及び「酒類の原料及び製法に関する事項」を満たしていることについて、次の団体(以下「管理機関」という。)により、当該管理機関が作成する業務実施要領に基づく確認を受ける必要がある。
管理機関の名称 :地理的表示青森管理協議会所
住所:青森県青森市大字油川字柳川1番地3
電話番号:017-764-0040
ウェブサイト:http://www.aomori-sake.or.jp/
4 酒類の品目に関する事項 清酒
青森酒造組合
地理的表示(GI)保護制度 vol.2 酒類(しゅるい)の地理的表示
青森 地域ブランド・商標登録 全国ご当地名産品 vol.2
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