環太平洋パートナーシップ協定(TPP)については、現況、アメリカの両大統領候補の双方ともTPP反対の考えになっています。一方、TPP協定を担保するための法改正事項としては、知的財産分野では、著作権分野の権利期間延長や刑事罰規定が挙げらており、特に商標分野では、マドプロの加入や商標法条約の規定に対する法整備(日本は法整備済み)が挙げられていますが、さらに民法の原則を踏まえ、追加的な損害賠償ではなく、法定の損害賠償に関する規定を整備する方針とされています。具体的には、商標の不正使用による損害の賠償を請求する場合において、当該登録商標の取得及び維持に通常要する費用に相当する額を損害額として請求できる規定を追加する予定とされています。(TPP協定を担保するための商標法改正について、特許庁より)。
英国のEU離脱の方向性が示唆するように、それぞれの国の保護主義が台頭する流れもあり、アメリカの次期大統領もTPP反対の姿勢もあることから、TPPの動向に応じて商標法改正も進まない可能性もあります。