商標関連情報(アーカイブ) 平成14年~平成21年
平成14年~平成21年の過去の商標法改正などを掲示しています。(旧Website(updatedinfo.htm)からの移設ページです。)
平成21年商標早期審査・審理の運用変更[2010/12/27up]
商標の審査には通常出願から6カ月~1年程度かかります。しかし、早期審査という制度を利用すると、出願からおよそ1カ月半~3カ月半程度で審査結果が来ることになっております。従来、商標の早期審査を受けるためには要件は、「権利化について緊急性を要する出願」と定義されており、この要件に合致するもののみ早期審査を受けることが出来ました。しかし、2009年1月より早期審査の要件が改正され、「出願人又はライセンシーが、出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願」も早期審査の対象となりました。この要件によれば「使っている商標」や「使う予定のある商標」について、実際に使用している(又は使用予定)指定商品/役務に限定をすることにより、早期審査を受けられることになります。(しかも、印紙代はかかりません。)例えば、昔から商標を使用していたがまだ商標権を取得していなくて、この商品(例えば商品「どら焼き」)についての商標だけ急いで権利が欲しい場合等には、この早期審査制度を利用することにより、早期に権利化が可能となります。他にも、商品化まで時間が無くて、兎にも角にも急いで商標権が欲しい場合にも、指定商品(役務)の限定により、早期に権利化が可能となります。
平成20年商標法改正の概要[2009/5/7up]
<平成20年6月1日より変更>
商標関係料金が大幅に引き下げられました。例えば、1区分あたりの登録時印紙代は66,000円から37,600円、1区分あたりの更新時印紙代は151,000円から48,500円となっております。
<平成21年4月1日より変更>
- 拒絶査定不服審判を請求できる期間が30日以内から3ヶ月以内に拡大しています。
- 通常使用権及び専用使用権に係る現行の登録事項のうち、「対価」については今後登録事項から除外されます。
- 登録後の手続(例:通常使用権の設定)において、登録申請受付日が効力発生日(登録日)とみなされます。
商標の使用又は商標の使用の意思に関する運用[2007/4/4up]
- 商標を出願する際は、商標を使用する商品(役務)を指定する必要がありますが、その商品(役務)は45つの区分に分類されています。また、区分内でも類似群というコードで更に細かく分類されています。
- 平成19年4月1日以降に出願された案件については、1区分内で類似群が8つ以上の商品(役務)を指定した場合は、審査で商標の使用意思の確認が行われます。使用意思を証明するには、意見書等の提出と共に、雑誌等の印刷物や請求書等の取引書類を提出したり、商標の使用を開始する意思を明記した文書及び事業計画書を提出したりすることが考えられます。
- また、小売等役務についても、互いに類似しない小売等役務を複数指定した場合は、審査で商標の使用意思の確認が行われます。小売等役務の中でも、衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売業等(総合小売等)を個人が指定した場合や法人が指定しても総合小売等役務を行っていると認められない場合も、審査で商標の使用意思の確認が行われます。
平成18年商標法改正の概要[2006/10/26up]
商標法の一部が改正され、平成19年4月1日から特例小売商標登録出願が可能となる予定です。特例小売商標登録出願は、商品を販売するための付随的なサービスにすぎないとされていた「小売サービス」を指定して商標登録を受けられるようにすることで、小売・卸売業者の業務上の信用を保護することを目的としております。そして、小売店における看板・制服・買い物かご等に使用される商標が、小売サービスに係る登録商標の使用として直接的に保護されるようになります。
審査は以下のように行われる予定です。(1)平成19年4月1日から平成19年6月30日までに行った小売サービスを指定役務とする出願同士は、同日出願として審査が行われます。(2)ただし、スーパーマーケット等の総合小売サービス以外の小売サービスについては、既存の商品区分間でクロスサーチを行い、取扱商品の類似群に他人の類似商標が登録されていないことが前提となります。(3)また、他人の周知・著名商標でないこと等の一般的登録要件を満たすことも必要とされます。(4)その上で、平成19年4月1日の前から使用されている商標の出願が優先されます。例えば互いに類似している商標A・B・Cの出願が並存したとして、商標Aのみが平成19年4月1日の前から使用されている場合は商標Aのみ、商標A・Bが平成19年4月1日の前から使用されている場合は商標A・Bのみ、いずれも使用されていない場合はくじで選ばれた商標のみが登録を受けられることになります。
なお、平成18年9月1日から商工会議所・商工会・NPO法人・中間法人等の社団についても団体商標登録出願(商標法7条)ができるようになっております。ただし、地域団体商標出願(商標法7条の2)については、未改正ですので、従来どおり所定の組合のみが出願できます。
国際出願の個別手数料の変更[2005/4/7up]
平成17年5月2日より、国際出願で米国を指定した場合の個別手数料が456スイスフランから367スイスフランに変更になります。また、国際登録の更新においても米国の個別手数料は544スイスフランから452スイスフランに変更されます。
地域団体商標制度の導入[2005/4/7up]
現在、地域団体商標制度の導入について国会で審議されています。この制度は、従来登録が認められにくかった地域名と商品名からなる商標を、農協等の団体が使用することによって、複数の都道府県にまたがるくらい広く知られるようになった場合には、その団体に地域団体商標として登録を認めるというものです。地域ブランドの保護強化を図る制度として期待されます。なお、この制度による出願は平成18年4月1日からできる予定です。
欧州共同体の国際登録出願での指定について[2004/7/17up]
欧州共同体は第77番目の加盟国としてマドリッドプロトコルに加盟し、2004年10月1日から国際登録出願において欧州共同体の指定が可能になります。欧州共同体を指定した出願について、OHIM(the Office for Harmonization in the Internal Market)によって拒絶されなければ、OHIMで直接出願し若しくは登録されたものと同じように25の欧州共同体(EC)の加盟国で商標が有効に保護されることになります。
アメリカ合衆国の国際登録商標出願での指定について[2003/9/30up]
アメリカ合衆国は2003年8月2日に第59番目の加盟国としてマドリッドプロトコルに加盟しております。その結果、2003年11月2日から国際登録商標出願において米国の指定が可能になります。
国際商標登録出願に関する改正点(平成15年1月1日施行)[2002/12/25up]
今回の改正では、日本を領域指定する国際登録出願についての個別手数料の二段階納付制度の導入と補正の範囲が改められています。
日本を領域指定して国際商標登録出願をする場合の個別手数料については、国内出願と同様、国際登録前に出願料に相当する金額を納付し、登録査定後に登録料に相当する金額を納付できるようになりました。また、日本を領域指定する国際商標登録出願について補正できる対象から「商標登録を受けようとする商標」を削除し、商標自体については補正できないことを明らかにしました。改正前では日本を指定して国際商標登録出願をする場合は国際登録前に個別手数料を一括して納付することが必要で、国際商標登録出願が拒絶された場合に登録料に相当する金額が払い戻されないという不都合がありましたが、この点が解消されます。また、補正の制限はマドリッド協定及び同議定書並びに共通規則の解釈によるものです。
区分補正での不足分の追徴[2002/10/24up]
特許庁からのお知らせで、本年1月以降の出願で区分が適正でないものについては、拒絶理由通知前に削除補正をしないと区分の不足分が追徴される可能性があるとのことです。以下、特許庁のホームページからの抜粋です。”改正前第42類に属していた役務が、改正後は第42類~第45類の4つの類に分けられましたので、同一の役務の範囲を指定した場合であっても、改正前は1区分分の出願料及び登録料(以下、「料金」という。)であったものが、改正後は4区分分の料金が必要となる場合があります。例えば、改正前は「第42類 医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究、宿泊施設の提供、医業、施設の警備」を指定すると1区分分の料金でしたが、改正後は、各役務の属する区分が変更されたことにより、「第42類 医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究、第43類 宿泊施設の提供、第44類 医業、第45類 施設の警備」となりますので、指定役務の範囲が同一であっても4区分分の料金が必要となります。また、本年1月以降、誤って改正前の区分に従って、「第42類 医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究、宿泊施設の提供、医業、施設の警備」を指定し、一区分分の料金を納付した商標登録出願については、各役務が上述のように4つの区分に属することから、商標法第6条第2項に係る拒絶理由の対象となる他、出願料が3区分分不足するとして手続補正指令の対象にもなりますので、この点についてもご注意下さい。この場合、審査着手前であれば、自発補正によって、指定役務を改正後の区分に従って、例えば、「第42類 医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究」のみに、又は「第43類 宿泊施設の提供、第44類 医業」のみに減縮すると、出願料は前者が1区分分で、後者が2区分分で済みますし、拒絶理由や手続補正指令からも回避できます(後者の場合は手続補正書提出時に1区分分の料金納付が必要)ので、本事例のような商標登録出願をされてしまった場合は、指定役務をご確認の上、必要な場合は指定役務の補正を行うことをお勧めします。”
平成14年9月1日施行の商標法改正[2002/8/26up]
- 商標を付した商品をインターネットを通じて提供した場合も“商標の使用”と明文化されました。例えば、コンピュータ・プログラムを実行するとパソコンの画面に商標が表示されるようにしたコンピュータ・プログラムをインターネットで送信する行為が該当します。具体的には、「コンピュータ・プログラム」を指定して商標登録した場合には、第三者がそのような使用をすれば商標権を侵害する可能性があり、また権利者がそのような使用をしていれば不使用であるとして商標登録が取り消されることもないことが明文化されたわけです。尚、「コンピュータ・プログラム」は平成14年1月1日施行の法改正によって商品に含まれることになっています。
- パソコン等の画面に商標を表示して役務(サービス)を提供した場合も“商標の使用”と明文化されました。例えば、パソコンや携帯情報端末等で気象情報を提供するサービスを行っている場合に、その画面上に商標を表示する行為が該当します。具体的には、「気象情報の提供」を指定して商標登録した場合には、第三者がそのような使用をすれば商標権を侵害する可能性があり、また権利者がそのような使用をしていれば不使用であるとして商標登録が取り消されることもないことが明文化されたわけです。尚、情報提供サービスは「~に関する情報」というように、個別具体的に指定することが必要です。