[コメント] 「埋もれた知財」活用は日本人のもったいない的な発想からきているとは思いますが、「埋もれた知財」は埋もれるべくして埋もれているので、学識経験者やM&Aの専門家が知恵を絞っても実効性は疑問と思います。特許や実用新案で、埋もれているのは、実は特許や実用新案自体ではなく、その請求項に記載されているところの技術そのものです。本当に良い特許や実用新案は既に製品化されたり少なくとも他社からの参入障壁にはなっていると思います。たまたま特許保有の大企業がニッチに手を出しかねているという技術分野が、同じニッチに手を出そうとする中小企業と出会えば可能性はありますが、その大企業が手を出さない理由があまり儲からないということであれば、埋もれているものは掘り起こしても埋もれたままに戻るだけでしょう。中小企業の埋もれた技術は資金や販売方法などの影響であることも多く、でもこれは知財の問題ではありません。自社内の知的財産の価値を十分に認識できず有効活用できていない大企業は、外から見るとそう見えるだけで、目をつぶって車を運転するような間抜けな大企業は今は殆どなく、内閣府が考えるほど大企業は間抜けではありません。意匠登録も埋もれている訳ではなく、単に選んでいないだけと思います。商標に関しては、埋もれている=使っていないですので、取消対象をライセンスで逃がすような感じがしますが、そもそも商標の取り方を実際に使用する商品役務に限定する取り方に変えていく必要があり、使っていない登録商標の空権が山ほどあるというのを行政的になくす方向に持って言ってほしいものです。内閣府は、企業内に埋もれた知的財産の有効活用策を検討するため、産学連携の会議を16日に新設する。企業が持つ知的財産の価値を適切に評価できる仕組みづくりや「稼げるビジネス」として展開するためのノウハウを検討する。半年程度の議論を経て報告書をとりまとめる。企業への支援策などの成果は2018年度の「知的財産推進計画」にも盛り込む。 政府が進める成長戦略の一環。日本では中小企業だけでなく大企業でも、自社内の知的財産の価値を十分に認識できず、有効活用できていないとの指摘は多い。内閣府は新設する会議を通じて、知的財産の活用を巡る現状を把握し、企業の国際競争力の強化や自社ブランドの価値向上につなげたい考えだ。