1.自社製品のマークに似たマークのついた商品(贋物・模倣品)を輸入差止できるでしょうか?
以下の要件を満たせば、輸入差止申立制度を利用することができます。
(1)輸入差止申立書を提出すること
(2)申立人の権利を証明するものが添付されていること
(3)輸入差止申立書及び添付書類により申立人の権利を侵害している事実を確認できること
つまり、輸入差止が認められるためには本物と贋物(模倣物)との識別ポイントをはっきりさせて、自社の商標権が侵害されていることを証明することが必要となります。
また、輸入差止申立に似た制度として輸入差止情報提供制度もあります。申立に比べて手続上の権利、義務がないようになりますが、輸入差止めの観点では大きく異なるものではありません。
※海外で販売された自社製品(子会社等ライセンシーの製品を含む)が輸入される場合は、製品自体は贋物ではありませんので、輸入差止申立制度は利用できません。
2.関税法 輸入差止は、どこに申請すればよいでしょうか?
各税関の知的財産調査官に対して申請します。複数の税関官署に対して申請する場合には、いずれか一つの税関に対して必要部数の書類を提出することにより申請します。
3.具体的にどんなものを提出する必要があるでしょうか?
(1)以下の事項を記載した輸入差止申立書
a.申立人の権利の内容
b.申立人の権利を侵害すると認める貨物の品名
c.上記bの貨物が申立人の権利を侵害すると認める理由
d.輸入申立ての有効期間として希望する期間(2年以内の期間を指定可能)
e.その他参考となるべき事項(本物と贋物を識別するポイント等)
(2)商標権の存在の証明する登録原簿の謄本及び公報
(3)侵害事実を証明するもの(本物と贋物の見本・写真等、判決書・鑑定書等)
4.どのくらいの期間がかかるものでしょうか?
実際に本物と贋物を見て、証拠書類をそろえたりするため、一概には言えませんが、輸入差止申立書の受理まで2~3週間を目安に考えて頂ければと思います。また、輸入差止申立書の受理後、指定期間内に贋物が発見された場合、認定手続きが開始されますが、手続き開始から10日以内に意見を述べることができ、問題がなければ手続き開始から1月程度で結果が判明します。 なお、書類提出で即手続が開始され、又は書類不備で即却下されることはありません。書類には申請税関に確認して整理番号を記入する必要もあり、あらかじめ下書きの段階からやりとりを行うドラフト制度が採用されています。
5.申立費用はどのくらいかかるでしょうか?
輸入差止申立ての段階では、税関に対しては特に費用を支払う必要はありません(当所の事務手数料はかかります)。なお、認定手続きの際、贋物でない場合を考慮して金銭の供託が命じられる場合があります。
6.リンク
関税法の差止手続のページへ
(財)日本関税協会 知的財産情報センター
税関ホームページ
日本貿易振興会
米国国際貿易委員会
(財)知的財産研究所
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